Works > Phantom > 物  語 > 第26話「江 漣」

第26話「江 漣」

ph26-01ph26-02
ph26-03ph26-04
ph26-05ph26-06

「......君を笑わせる.本当の笑顔を取り戻す.いつか,きっと」

エレン,江漣......遠くから呼ぶ声が聞こえる.
鎖に繋がれた魂には,もう何もないと思っていたのに......
玲二から名前を奪い,過去を奪った.人の殺し方を与えることしか出来なかった.
それでも,玲二は新しい名前をくれた.心を思い出させてくれた.故郷を探すと誓ってくれた......

心の深遠には,いつも江漣がいた.
廃工場で目が醒めたとき,この眼に初めて映ったのは江漣の姿だった.
雛が親鳥を慕うように,親が雛鳥を想うように,運命を共にすることが宿命づけられていた.
血の鎖で縛られた2つの魂.もう一人の自分.
死が追いつく前に,江漣の夢の世界へ行ってみたい.

「青と白と緑......眩しいくらいに明るくて,風が吹いている」
いつか玲二に話した夢の世界を想うと,
優しく疼くような安寧が去来する.光に帰する高揚に包まれる.
これが,生きるということ......?
虚無の殻を破って孵ったばかりの心を携えて,あの故郷へ還りたい.

浄い豊饒の地.蒼く透明な空.心を覆う風.母なる全て......
過去を解き放った江漣の瞳に,この姿を映したい.
同じものを見て笑いたい.銃の重みを忘れた手で,強く抱きしめたい.

例え,銃声から生まれた愛は再びその哀しい咆哮に迎え入れられるしかないのだとしても.
今はただ,目を細めたくなるような美しさを放つ世界へ,玲二へ......両手を広げたい.
この手で希望を抱きしめて,今度こそいつまでも,醒めない夢に包まれていたい......

スタッフ

脚  本         :黒田洋介
絵コンテ・演出      :黒川智之
作画監督         :遠藤大輔・渡辺亜彩美
メカ作画監督       :才木康寛
ゲストキャラクターデザイン:佐々木睦美・つばたよしあき・山下喜光

放  送

テレビ東京:9月24日 深夜2時15分〜
テレビ大阪:9月25日 深夜3時05分〜
テレビ愛知:9月30日 深夜2時48分~
AT-X:10月2日 10時30分~/22時30分〜(リピート放送:10月6日 16時30分~/深夜4時30分〜)

※放送時間に関しては変更になる場合がございます.予めご了承ください.

▲このページのトップに戻る