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2008年04月07日:アニメ制作あれこれ・選曲編

アニメ業界以外も含めると働き始めて約10年になりますが,この10年間毎週日曜日に働きながら聞いていたラジオ番組が先月で終了してしまい,なんとなく仕事のリズムが狂っている昨今です.
今回は「選曲」の話を.
映画・映像は総合芸術や第8芸術と言われるように,視覚・言語・造形・音響・舞台など諸芸術分野の要素を内包し,音楽もその重要な要素です.それはアニメーションにおいても例外ではなく,単純な線画として記号・抽象化された視覚情報から,想像力を喚起させてその世界観を読み解く,重要な手がかりであり要素になります.
そんなわけで,作品のどの場面からどの音楽をどこまで使用するかを決定するのが選曲作業なのですが,その作業方法は監督・制作会社によって区々で,監督が全て決めてしまう場合もあれば,だいたいのイメージを伝えて具体的な選曲は音響監督が行う場合もあります.後者の方が多いかな.弊社特に真下監督の場合は音楽の使い方にこだわりがあるというか自分で何でもやらなきゃ気が済まないというか,全て自分で決めてしまいます.
選曲作業も,以前はビデオを見ながら音楽CDをかけてイメージをつかんでいったようですが,個人でもコンピュータ上で簡単に映像が扱えるようになった2000年代以降は,ノン・リニア編集システム上で実際に映像と音楽を合わせながら作業をしています.いずれにせよ選曲作業後にはどの音楽を何分何秒目から使用する,みたいなリストを作成して音響制作現場に伝えるのですが,最近ではそのリストを書くのもめんどくさくなったとの事で,音響制作現場で使用されている「Digidesign ProTools」という音響制作システムで選曲したファイルをメールで送って同期させるという事をここ数年行っています.(最終的な調整は音響制作現場に一任していますが.)ともかく,ProToolsを使う還暦間近の人間もそうはいないんじゃないかと思って感心しながら見ている昨今です.
そういう監督の影響なのか,弊社作品の他の監督も選曲作業を自ら行う事が多いです.私自身,選曲作業はProToolsよりもノン・リニア編集システムを使用した方が直感的で判りやすいと思っているので,今までコンピュータをさわった事が無いという監督でも例外なく,監督になると同時に「Apple FinalCutPro」という編集システムの使い方を私から教えられるハメになっています.御愁傷様です.でも選曲作業ってそれ自体楽しいんですよね.
そんなわけで無限の住人もただいま選曲作業中です.
大谷幸さんの音楽をお楽しみに!
